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小さな陶人形に隠された中日の交流と学びの心

(新華社)        更新: 2019-03-04

© 新華社 小さな陶人形に隠された中日の交流と学びの心

【新華社上海3月4日】杉山悟志さん(53)にとって、3月1日から4日まで上海で開催されている第29回中国華東輸出入商品交易会は、人生に多くの「初めて」をもたらした。初めて中国を訪れ、初めて中国の展示会に出展し、初めて日本以外の市場にビジネスを広げた杉山さんは、自らが創作した陶器人形を初めてその文化のふるさとである中国という「実家」に連れ帰った。

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杉山さんは三重県伊勢市の出身。19年前に伊勢神宮を訪れる観光客からヒントを得て、おみくじが中に入った陶器の人形を作り出した。

杉山さんの会社はニ、三十人の規模だが、陶器人形の毎年の売上は100万個を超える。人形のデザインはさまざまな動物から恐竜、自動車などにまで広がり、その用途も神社やお寺はもちろん、観光土産や企業ノベルティ、知育分野にまで拡大している。

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杉山さんは新華社の取材に対し、実家が祖父の代からの表装業で、自分は三代目に当たると説明。表装の仕事では書道を学ぶことは必須なため、今でも日本の書道家に師事しているという。

杉山さんは「書道にせよ仏教寺院にせよ、すべて遠い昔に中国から日本に伝わったもの。私の心の奥底にある文化的創造性をさかのぼれば自然と中国に行きつく」と語る。

同交易会の総展示面積は12万平方メートルを超え、出展企業は4千社近くに上る。杉山さんは自社のブースに各種陶器人形を並べただけでなく、特別に小さなエリアを設け、自分が最も得意とする書画の表装技術の実演を行った。

杉山さん「私が人形と表装を一つにしたのには考えがある。今の商品やアイデアは悠久な歴史と奥深さを持つ伝統文化と比べれば『氷山の一角』に過ぎない。芸術の創造には長年の蓄積が必要だが、企業経営も同じようにしっかりとした文化の蓄積が必要」と語った。

福建省厦門(アモイ)市の宋鑫(そう・きん)さんは現在、杉山さんの事業の中国市場での代理人を務めている。宋さんは、杉山さんの陶器人形のアイデアや精神が中国の伝統文化に基づくものであるなら、杉山さんそのものについても中国企業が学び、参考にできる部分があると考える。それは伝統文化への愛着であり、伝承と革新であるといえる。小さな人形の中には中日が交流し、学び合うという心が隠されている。